さ く ら vol.5

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     三分、四分の眺めと人の愛ずるのは、うす紅の色の褪せぬ間の四月上旬僅か二、三日を数うるに過ぎぬ。

     花時風雨多しと相場が極まっていて、あすは見頃と人の楽しみ待つ頃、あやにくの風雨、花の寿命というの、寔にはかない、頼みがたいものではあれど、あれが、酒場の造花の桜のように色がさめても枝にくっついていたのなら、誰も咲く花をあのように待ちもしまい。

     咲くにつれて白くなってゆく、また山桜の始めから白い花。私は桜の花の白きを悦ぶ。

     

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    『鏑木清方随筆集』・岩波文庫

     

     

     

     


    さ く ら vol.6

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      酒をのめ、それこそ永遠の生命だ、

      また青春の唯一(ゆいつ)の効果(しるし)だ。

      花と酒、君も浮かれる春の季節に、

      たのしめ一瞬(ひととき)を、それこそ真の人生だ!

       

      オマル・ハイヤーム『ルバイヤート

       

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      さ く ら vol.3

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         其の早く散る所是れ惜しまるゝ所なるも、忽ちにして爛漫、忽ちにして乱落し、風に抗す能はず雨に耐え得ず、狼藉して春泥に委す所、寧ろ日本人の性情とせんや。

         

        志賀重昂・著 『日本風景論』

         

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        桜ひとひら

         

         

        腰まで泥まみれ 〜Waist Deep In The Big Muddy〜


        さ く ら vol.4

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          『Orchard in Bloom』

          Claude Monet

           

           

           

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           花びらは散っても花は散らない 

          金子大榮

           

           

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          さ く ら vol.2

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            仲田種苗園 シダレザクラ ひこばえからのサクラの開花

             

             

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             早乙女の「さ」は「さ月」「さ苗」「さみだれ」「さ下り」「さ上り」「さんばい」などいずれも稲作の田植えと深くかかわる語である。この「さ」は穀霊、とりわけ稲霊を示す語だとする説がある。桜=さくらの「さ」もこれと同じもので、桜の花は穀霊の座であり、桜の花は秋の稲の稔りの予兆を示すものだとし、花見は、秋の稲の稔りを占い、予測する営みだとする説もある。

             

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            野本寛一・著『民族誌・女の一生 母性の力』

             

             

             

             このシダレザクラは天栄村の吉祥院の境内にある種蒔き桜です。

             ここの地域の方たちは、この桜の木の蕾の色づき具合をみて、稲の種子蒔きの準備をするそうです。

             

             

             そんな天栄村の、お米の農家さん

             

            『根吹桜』

            名嘉睦稔


            さ く ら vol.1

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              仲田種苗園の仮設トイレの脇にある

              昨年の11月にも咲いた不思議なサクラも開花

               

               

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              桜に特別な感情を抱いていたぼくは、桜そのものを見きれずにいた。

               

              それにまつわる逸話を思い出し、

              大日本帝国を標榜して暴走する時の権力を想像し、

              忌わしい気分になるのだった。

               

              直接経験もしないのに、回りの大人達の悲哀を共有する内に、

              戦争を検証する視点が芽生えていたのだろう。

              戦の根を探す癖がついていた。

               

              桜は軍国主義の表象として写っていた。

               

              御国の為に死ぬことを殊更に美化し、

              総玉砕を桜の散り際に喩えて称賛するのが怖かった。

              一斉に咲き散る姿に国家や軍隊と結びつく文脈を思ったのである。

               

              桜語り達の通念や思想に惑わされることなく、

              そのまま桜の美しさに心を委ねることが出来たように思えたのは、

              大人と称されて久しい歳だった。

               

              自らもまたその通念の中にあって、

              それを重ねるのに何処かで一役を担っていることを識った時であった。

               

              桜は実にその装置を仕掛けもするが、読み解く役目もして見せるのである。

               

              平和の象徴として鳩を使うが、鳩は残虐性も備えているし、

              鷲はその対極で戦の象徴にされるが、子を育む愛情は他の鳥に劣らない。

               

              当然過ぎる事であるが、表象にされるこれらの命には

              何の罪もない。我々人間側の理由による築かれた観念である。

               

              一斉に咲き散るソメイヨシノの美も認めながら、カンヒザクラのあの執拗にしがみつき、

              そのままサクランボウに成ってしまう姿にも美をみるべきである。

               

              何より、「日本」の単一性、均質性の通念に桜が利用されてはならない。

              とか思いながらも、何かの拍子で立て続けに桜が描き出たが、ぼくのは優雅さに欠けるように思う。

               

              ついつい、花のむこうにある樹の気分に気持ちが寄ってしまうのであった。

               

              名嘉睦稔・著『風のゆくえ』

               

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              『あらはれ』

              名嘉睦稔


              桜の樹の下には

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                『全てが何でもないこと』

                             名嘉睦稔

                 

                 櫻の樹の下には屍体が埋まつてゐる!

                 これは信じていいことなんだよ。何故つて、櫻の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことぢやないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だつた。しかしいま、やつとわかるときが来た。櫻の樹の下には屍体が埋まつてゐる。これは信じていいことだ。

                ・・・・・・

                 

                 馬のやうな屍体、犬猫のやうな屍体、そして人間のやうな屍体、屍体はみな腐爛して蛆が湧き、堪らなく臭い。それでゐて水晶のやうな液をたらたらとたらしてゐる。櫻の根は貪婪な蛸のやうに、それを抱きかかへ、いそぎんちやくの食糸のやうな毛根を聚めて、その液体を吸つてゐる。

                梶井基次郎・著『櫻の樹の下には』

                 

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                 (梶井基次郎の)『櫻の樹の下には』という作品は、そのタイトルの下の句として、「屍体が埋まっている」と続く。つまり、満開の桜は確かに美しいかも知れないが、その美しさは、その下に埋まった死体によって支えられているのではないかという、妄想に近い「負の想像力」が働いている。・・・・・・「櫻の樹の下には屍体が埋まっている」という一見奇怪なイメージは、確かに神経症的な妄想と隣り合わせではあるが、実は、人が本来的に抱く不安が呼び起こす一般的なものである。

                村上龍・著『櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている。』

                 

                ————

                 

                いきなり何? という出だしのハッピーツリーのブログです。

                 

                もし今日、初めて、弊社の『ハッピーツリー』という言葉に惹かれて

                ブログを読む方には、たいへん申し訳ありませんが、

                担当がかわった後の、このブログの存在に?が永遠に付き纏うかもしれません。

                 

                 

                いまはまだ貫禄のないタキザクラの子孫。

                 

                 

                 

                 

                まだまだ「山眠る」。

                 

                仲田種苗園、沢田農場内にタキザクラを植栽いたしました。

                 

                三春町はタキザクラで有名ですが、その子孫を沢田農場に移植いたしました。

                 

                三春町の滝桜に関して、実のところ私には、

                あまりにも身近すぎて気付きませんでしたが

                農場長に教えられて初めて知りましたが、なんと日本三大桜の内の一つであります。

                 

                農場長、技術主任を筆頭に三春町からタキザクラを堀り取りし、無事に沢田農場内に植栽いたしました。

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                樹木には希望があり

                 

                伐られてもまた芽を出し

                 

                その若枝は絶えることがない。

                 

                その根が地中でなくなり

                 

                その株が土中で死んでも

                 

                水の潤いによって芽を出し

                 

                若木のように小枝を伸ばす。

                ヨブ記14:7

                 

                 

                 ぜひ「山笑う」季節の頃、仲田種苗園に訪れていただきたいものです。

                 

                 

                ・・・・・・

                 今こそ俺は、あの櫻の樹の下で酒宴をひらいてゐる村人たちと同じ権利で、花見の酒が呑めさうな気がする。  

                ・・・・・・

                梶井基次郎・著『櫻の樹の下には』

                 

                 

                 

                 

                 


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