植木業を学ぶ。

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    荘川桜の移植工事について。

     

    稲本正さんの『木の聲』から引用します。

     

    ———— この巨大なロックフィルダム・御母衣ダムをつくったのは電源開発株式会社で、その初代総裁は通産大臣も経験した高碕達之助だった。実のところ、この巨大なダム建設には七年半にわたる長い反対運動があった。自分の住んでいる所がダム建設で水の下に沈むとなれば、補償の良し悪しを超えて反対したくなるのが人情だ。高碕達之助は電源開発総裁には珍しく、自宅に植物研究室までもつ自然愛好家だったが、住民との交渉がやっと成立した直後、中野地区にある二本の桜を、私費を投じて移植することを決意する。住民の気持ちを、少しでも和らげようとしてのことだった。だが、どの大学の学者も引き受けてくれない、そこで当時、民間の桜の研究家として名高かった神戸市の笹部新太郎に頼みに行く。笹部新太郎は「大阪造幣局通り抜け桜」の管理育成などの実績のある人だった。東大法学部を出ながら法律とは縁を切り、ひたすら桜に人生をかけた筋金入りの桜博士だ。・・・・・・世の植物学者は、こぞってこの移植は失敗すると明言し、実際、工事が始まってみると思いのほか大変だった。二十数トンと予想されていた桜ははるかに重く、照蓮寺の桜が三十八トン、光輪寺の桜は四十二トンもある。この前代未聞の大移植工事は困難を極めた。————

    稲本正・著『木の聲』

     

     

     入社してすぐに12mのイロハモミジの堀取りをしました。

     

     長い年月、木を伐っていたので「木を掘り起こして移植する」というのが理解できませんでした。

     理解できないというか、それ程までに「この木が必要なのか」と思いました。

     

     傷つけずに折れないように、寝かせて、葉を取り除いて、トラックに乗り輸送できるように、時間をかけて樹形を小さくしていく…。

     人足と時間のかかる作業でした。

     

     先に引用した本の中身は、身をもって体験してみないと分からない内容でした。

     

     林業でも、先人の知恵が沢山あり教わってきましたが、この仕事でも、沢山の技術、勘と経験が必要だと思い知りました。

      

     生きている間、技術が身につくかどうか分かりませんが、少しずつ吸収していきたいと思います。

     

     

     

    荘川桜


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